受験一般

井の中の蛙になってない?

受験で成功した人であれば、本当に優秀な生徒であるかは話した途端にすぐ分かります。彼らはみな謙虚です。努力を軽視しない真摯な人たちです。高校入試で失敗した人もプライドや才能に溺れて努力しない上位層を追い抜いてしまおう!!

B.F.S.

今年度の入試もほぼ終わりをむかえ、新高校3年生も一層受験を意識するころです。志望校はもう決まっているでしょうか。志望校は、一般的な傾向として比較的近隣の通いやすい大学から選択することが多いのではないでしょうか。そういった大学は身近な先輩が通っていることも多いため、「自分も通える」と思いがちです。今回は難関10大学の募集定員と大阪府立高校の進学実績とを見比べ、その思い込みが正しいのかどうかを検証します。

難関10大学 VS. 大阪府立高校トップ10校

難関10大学とされる大学(北海道、東北、東京、東京工業、一橋、名古屋、京都、大阪、神戸、九州)の募集定員の総数は、おおよそ2万1千人です。センター試験の受験者数が約55万人ですから、これらの難関国立大出身者は総受験者のたったの3.8%です。

これに対して大阪府の公立高校のトップ10校(北野、豊中、茨木、岸和田、三国ケ丘、四條畷、高津、大手前、天王寺、生野)には一学年に3840名の生徒がいます。昨年度のデータでは、このうち現役で難関10大学に合格したのは、630名でした。約16%です。

それでもたったの16%

今ご紹介した公立トップ高校は、普通科であっても偏差値は70ほどあり、府内で最も優秀な生徒たちであることには全く異論は出ないはずです。ではなぜ16%という数値にとどまっているのでしょうか。もっと高い確率であってもいいはずです。府内でトップを走り続けていたはずの子どもたちがどうしてなのでしょう。

どうして私が○○大なんかに…

高校入試は地方大会、大学入試は全国大会

一般的に高校入試と大学入試では偏差値に10ポイントの差があると言われています。高校入試は都市部においては激戦区ではあるものの、(言い方は悪いですが)所詮は地区予選です。そこを勝ち抜いたからといって、全国で通用するというわけではありません。

進学校という自負(謎の同化現象)

彼らにはプライドがあります。なんといっても彼らはトップなのですから。しかしながら、自らの才能に溺れ、井の中の蛙状態にある生徒も少なくありません。また、部活の先輩が合格している姿などを見て、自分も合格するものと思っている生徒もいます。自分と同じ高校・部活だからといって、同じ運命が与えられているわけではありません。

実話です

S高校生徒A「K戸大学くらいなら、もっと楽にいけると思っていました。」(センター後に出願先を変更して、神戸大学海事科学部合格)
S高校生徒B「うんうん。」(国公立はセンター後に諦め、同志社大学理工学部合格)
わたし「そうやんなあ(どこからその自信が…?)。」

私は高校の青春を捨てて、進学校出身者に楽に入れると思われている大学に必死の思いで入学しました。難関大学のなかでも神戸大学は彼らからすると舐められやすい、ちょっと残念な大学なのかもしれません。

才能と環境

公立トップ校に合格するには、中学の内申書はオール5が当然のように求められます。それゆえ学校制度から降りてくる「科目」とやらに全て適応的(優秀)でなければなりません。全てそつなくこなす才能が彼らにはあり、それほどプライドをくすぐるものはありません。そうしたプライドが「血のにじむような努力」をどこか遠ざけてしまうのではないでしょうか。

あるいは、勉強もスポーツもできる人は、周囲からはもてはやされて、挫折を感じにくいはずです。そうした挫折を感じたことのない人にとって、「努力」というものはいまだ存在しないのかもしれません。

そもそも偏差値で大学を選んでいない

公立高校は中高一貫校と異なり、必ずしも進学実績のみを重視しているわけではないことも要因といえるかもしれません。高校生活そのものの充実、高校内で完結した教育理念があるのかもしれません。しかしながら、高校の科目のほとんどは大学での学問のいわば入門レベルである以上、16%は低すぎると言わざるを得ないでしょう。

ある種の心理的効果

A高校は県内1位の高校である。
B高校は県内2位の高校である。
A’さんはA高校に最下位で入学した。
B’さんはB高校に首席で入学した。

A’さんはクラスのべべ、B’さんはクラスのトップです。この場合、B’さんが成功を収めやすいです。なぜなら、B’さんは「できる」という実感・自信を持ち続けることができますが、A’は劣等感を抱いてしまうことが多いからです。入学時の学力はほぼ変わらないにもかかわらずです。このことは、たとえ進学校であっても、みながみな難関大学へ進むわけではない要因といえそうです。

全国大会で勝利するには

高校生はもはや子供扱いされはしません。高校入試までは親や保護者の敷いたレールにそってお勉強していれば大過なかったでしょうが、大学入試には主体性(熱意)と強靭な継続力(努力)が不可欠です。周囲に合わせてただなんとなく目指しているだけでは、大学合格は当然のように与えられません。

今回は高校上位者の陥りがちな点について触れましたが、それは裏を返せば、高校中位レベルでも難関大学に逆転合格は可能であるということです。高校上位者も、常にそういったライバルたちがのし上がろうとしていることに危機感を持ってほしいです。高校入試で蹴散らしたはずのライバルに大学で抜かれてしまわないように謙虚に努力を続けるべきなのです。人生を勝敗のみで語ることは浅はかですが、自分のプライドに負けてしまうほどのみじめさは他にないのではないでしょうか。