こんにちは!京大A判のおっぐです。
多くの学校では新学期スタートから1週間が経ちつつありますが、いかがお過ごしですか〜?
さて、私が化学の勉強計画の極意を綴った記事の中でも触れた通り、受験生にとっての秋は、問題演習を通じて入試に役立つ実戦的なテクを磨く期間です。夏休みの間に培ったキホンをより高みに持っていくのですね。
すでにバンバン問題を解いている受験生もいると思います。しかし、ただただ闇雲に問題を解くだけでは、身につくものも身に付かず、時間の無駄に終わることもあります。
そこで今回は、問題演習の効果を最大限まで高めるために心がけるべき取り組みについて書いていきたいと思います!
そもそも問題を解く目的をはっきりしよう
先生や親御さんに「問題を解け」と言われ、思考停止してとりあえず問題を解く受験生の何と多いことか。どうして先生が問題を解かせようとするのか、その真意をきちんと掴めないと、問題演習の効果を最大化することはできません。
問題演習を行う理由は、ざっくり言うなら、問題を解けるようになるためです。受験生ならば入試問題(or 模試の問題)、それ以外の方なら定期試験の問題が目先のターゲットでしょう。
教科書に載っているキホンの知識は、問題を解くために必要ですが、キホンだけでは問題を解くことができません。キホンの知識だけで足りないことを補うために、似たような問題を解きまくるわけです。
問題演習を通じて身につけるべきなのはこの3つ
では、問題を解く上で、キホンの知識以外に必要なものを洗い出しましょう。ここで出てきた必要なものの習得を意識して問題を解くことで、問題演習がより有意義なものになります。
その1:問題の解き方
これは誰もが思いつきますよね。キホンの知識はあくまで知識にすぎず、これをいかにして応用する(問題を解くのに使う)のかは、実際に問題を解いてみないとわかりません。特に入試問題においては知識だけを尋ねるいわゆる暗記問題などほとんど出題されず、ひたすら応用の方法を求めます。
ある問題の模範解答を学習することを通じて、似たような問題が出た時にどのようなアプローチを取ると解答を導けるのかを学ぶことができます。物理の問題を例にあげると、坂道を台車が滑っている状況に遭遇したら、すぐさま台車にかかる重力を成分分解して、斜面に対する垂直抗力を求めますよね?このようなお決まりのシチュエーションに対するお決まりの流れを次々と身に付けていくことで、やがて入試問題に対応できる力を手に入れることができます。
さて、↑のことってよく考えたら当たり前なんですが、実践している人は意外と少なかったりします。成績が伸びない人って、何も考えないでただひたすら問題の数をこなそうとするんですよね。問題の解き方を学習する上で、次の事柄をきちんと意識しているかチェックしてみましょう。
- 問題がどんな解き方を求めているか意識して解いていますか?(作問者が意図する「解き方」を予想した上で問題に臨んでますか?)
- 問題を解いた後は、きちんと模範解答をチェックしてますか?(自分で解いただけでは「解き方」を新しく学べません)
- 理解が不十分だと思ったキホンの事柄はしっかり復習してますか?(教科書はいつでも読み返そう!)
- この問題を通じて何を得られたのか振り返ってますか?(解く前と解いた後で知識・技能面の進歩がなければ意味がありません)
その2:問題と解答の傾向
これは、過去問演習が本格化してからでも間に合うことですが、早く意識するに越したことはありません。
入試問題ってどれも似たり寄ったりで、科目ごとに問題や答え方に一定の傾向がみられます。問題の例で言えば、物理の入試は坂道に台車を置きたがりますし、謎の装置に気体を詰め込んで温めたがります。一方で、波や原子を使った問題が出ることは結構稀です(時々出題されて受験生を混乱させるのですが笑)。解答の例としては、国立2次試験の場合、数学の問題はほぼ全てが記述問題なのですが、物理の問題は意外にも最終的な答え(値)のみを記入することがメジャーです。
このような傾向を捉えておくと、これからどんな問題を重点的に演習すれば良いのかを掴むことができて効率良く勉強を進めることができます。例えば国立大の受験を考えているのに数学で短答問題ばかり取り組むアホなミス(センター対策としては良いですが…)を犯さなくて済みます。
また、これは「解き方」と共通する部分でもあるのですが、記述解答が要求される問題(国語の論述や数学の証明)については、どのように記述して答えれば良いのかを模範解答を通じてしっかり勉強しましょう。
- この大学or科目の問題は、どんな問題を出しがちなのか学ぼうとしていますか?(良く出る問題を捉えようとしてますか?)
- この大学or科目の問題は、どんな形式で答えさせがちなのか意識してますか?
- 自分が解くことになる入試問題の傾向に沿って問題選びをしていますか?(でないと傾向を学んだ意味が半減します笑)
- 記述問題については「答えの書き方」も含めて学習していますか?(模範解答っぽい答え方ができるように頑張ろう)
その3:問題を解くスピード
試験本番を意識するならば、問題を素早く解けるようにならなければなりません。
理系の例ばかり上げて申し訳ないのですが、京大理系の数学は150分の試験時間で6つの大問が用意されています。単純計算すると1問あたり25分しか無いわけですね。机の前で頬杖をつきながらのらりくらりと問題に向かっているあなたは、(1)問題文の理解(2)解答方針の立案と検証(3)膨大な計算(4)解答記入(5)解答の見直しを半時間以内に全てこなせるだけのスピードを発揮できますか?
問題演習を始めたばかりの頃は、そもそも問題を解く上で知らないことや慣れていないことがたくさんあります。そのため、1問あたりに多くの時間がかかってしまうことは仕方ありません。しかし、そのような場合でも、途中計算や文章の記入などの単純作業からスピードを高める努力を始めると、本格的な入試演習に取り組んだ時に時間に追われることが少なくなります。
勉強する上で重要なことをまとめた過去の記事において、勉強は得られた量を増やし、得られるのにかかったコスト(時間など)を減らすことが重要だと述べました。勉強の効率を高めるためにも、問題の演習に取り組む際は、解答にかかった時間を縮めることを心がけましょう。
スピード感をもって勉強をするために、次のようなことを意識してみましょう。
- 試験問題(入試・模試など)で1問あたりにかけられる時間を計算したことはありますか?
- 問題演習に取り組む際は、1問あたりにかかった時間を測っていますか?(問題集に記入しておくと再び解く時に時間を比較できて便利です)
- 問題を解いている途中に謎の一休みを挟んでいませんか?(一度解き始めたら見直しが終わるまで集中!)
- 途中計算などの単純作業でブースト全開してますか?(単純作業は瞬殺して、問題・解答の本質を見抜く時間を確保しよう!)
おわりに
今回は、入試対策のキモである問題演習をより効果的に行うために意識すべき三つの極意について扱いました。
受験勉強に費やせる時間は有限です。そんな貴重な時間を使って学力を最大限まで高められるよう、この記事で挙げたことを参考にしつつ、様々な工夫を凝らしてみてください♪
最後までお読みいただきありがとうございました!