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京都大学に合格した宅浪経験者が教える<計画の立て方>

この記事を書いた人
木村

宅浪生の皆様、初めまして!木村と申します。私は宅浪を経て京都大学に合格しました。その時の経験を基に、これから宅浪生として受験に臨まれる皆様に、計画を立てる方法についてアドバイスができればと思います。ぜひ皆様の計画作成にお役立て下さい。

もう少し自己紹介

これから書き連ねていくことに更に説得力を持たせるために、私についてもう少し自己紹介させてください。

私は宅浪受験を経て京都大学文学部に合格しました。不合格時は確か30点~50点程度足らなかった記憶がありますが詳細覚えておらずすみません。1つ言えることは、合格まであと一歩という状態では全然なかったということです。むしろ実力に反して本番はよくできた方だと思っています。そんな状態からの宅浪スタートだった私ですが、かなり戦略的に宅浪時代を過ごすことに成功した結果、宅浪時代は次のような成績を取りました。

駿台主催全国マーク模試で東大も含めた全大学をA判定

河合塾主催京大オープンでA判定の中でも上位者として優秀者に選ばれる

河合塾主催全統記述模試で英語、日本史に関しては偏差値80近く

命運を握る計画

少しは私の発言に説得力を持たせられるのではないかと思います。さて本題に入ります。まず、宅浪生において計画は非常に重要となります。裏を返せば、計画を立てることなく宅浪が成功するなんてことはあり得ないことだと思っています。それぞれの事情はあると思いますが、もし無計画で何となく受験をしていても志望校に受かっちゃうようであれば、おそらく既に合格されてると思います。従って、ここからは計画を非常に重要なんだ!という視点で読み進められてください。

計画の種類

計画には大きく2種類ございます。

  • 中・長期計画
  • 短期計画

そのそれぞれについて解説を進めていきます。

中・長期計画

中・長期計画は1年間の計画とお考え下さい。受験開始の4月~翌年2月末までの計画を立てていきます。具体的には、各マイルストーン*で取るべき目標点と、そしてそれを達成するためには何をすべきか(ToDo)について記載された計画となります。

そもそもマイルストーンとは

中間目標地点といった具合に訳せますが、もっと簡単に言えば1年の受験における要所となるポイントと理解ください。受験における要所は「模試」と解釈できますね。例えば、京都大学を受験される宅浪生であれば、マイルストーンは次のように設定できると思います。

  • 1つ目のマイルストーン:5月ごろの模試
  • 2つ目のマイルストーン:夏の京大模試
  • 3つ目のマイルストーン:秋の京大模試
  • 4つ目のマイルストーン:12月ごろの共通テスト模試
  • 5つ目のマイルストーン:共通テスト本番
  • 6つ目のマイルストーン:2月頭の過去問演習(基本この付近では模試がないため)
  • 7つ目のマイルストーン:二次試験本番

つまり、上記で挙げた7つのマイルストーンで各教科の目標点を設定し、それを実現するための方法を計画します。

目標点の設定方法

まずは最終マイルストーンでの目標点を設定してください。つまり入試本番(共通テスト本番・二次試験本番)での目標点です。ここでの目標点は、公表されている合格最低点などを参考にして設定してください。間違っても合格最低点以下を設定しちゃうような凡ミスは避けて下さいね。

ここからはゴールから逆算的に各マイルストーンでの目標点を定めていきます。本番から1か月前であれば何点取る必要があるか、3か月前であれば、6か月前であれば…といった具合に設定していきます。

中・長期計画のイメージ(途中)

ここまでお伝えした情報を基に中・長期計画を作成すると例えば↓のような計画が完成します。

ToDoを設定する

次に考えることは目標点のために何をすべきかということです。基本的に宅浪生であれば市販の参考書や問題集が学習のベースとなるので、例えば「青チャートを3周する」といったような問題集をベースとしたToDoを考えてみましょう。

実はこれを考える作業こそ計画を立てるという本テーマにおいて最も重要なアクテビティであり、最も難易度の高いことでもあります。ある得点を達成するために最適な問題集を検討する作業は、ご本人のある種センスやリサーチ力が試される場でもあります。もし苦手な方はこの部分は受験マスター的な人に頼ってみるのも良いかと思います。ちなみに私にもご相談可能です(ご相談はLINEから)!
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中・長期計画のイメージ(最終)

ここまでお伝えした内容から計画を作成すると例えば英語でいうと以下のようなイメージ(画像下半分)になります。「」で表現されているのが問題集になります。マイルストーンで設定した目標点を取るために必要なToDoを問題集の達成度と共に計画していきます。

中・長期計画の活用法

中・長期計画はある時点で身に着けておくべき学力の指標となります。つまり、例えば11月時点で目標設定した英語の得点が90点だったとします。にもかかわらず、その時点で80点しか取れていなければ、当初の計画通りでなくうまくいっていない、と感じて下さい。そう感じた場合の対応策については後述いたします。

短期計画

短期計画は1日単位での計画とお考え下さい。つまり今日やるべきことが記載された計画になります。手っ取り早くイメージを先に見てもらいましょう。

短期計画の完成イメージ

短期計画

短期計画には1日の過ごし方を記載しています。何時に起床して、何時から勉強を開始し、どの時間でどの教科を勉強し、その時間なんの問題集を何ページ進めるのかといったことを詳細に計画しています。

より具体的なToDoを記載

短期計画は1日の過ごし方を計画したものです。ここでは「何をどれだけこなすか」を具体的に記載していきます。この「何をどれだけこなせばよいか」を考える材料になるのが、既に作成した中・長期計画になります。思い出してください。中・長期計画を作成する際、問題集ごとに「〇〇周こなす」といったToDoを考えましたね。例えば4月~6月の間で「「XYZ」という問題集を2周する」というToDoを設定したとすれば、単純に3か月の日数(≒90日)で割ると、1日あたりで解き進める(読み進める)ページ数が分かるはずです。それを短期計画に記載します。

2種の計画で宅浪を戦略的に過ごす

ここまでで冒頭にご説明差し上げた2種類の計画について、その作成方法をお伝えしました。改めて宅浪という受験の性質をおさらいし、なぜ計画が必要なのかについて考えてみましょう。

宅浪という受験方法

宅浪という受験方法は理論上最強だと思っています。これについて語っている記事はコチラ。そもそも受験勉強において追うべき指標は2つあります。それは「量」と「質」です。どちらも極めることにより、受験生として洗練されていきます。私の経験上、とにかく勉強ができた友人・知人たちは須らくこの2つを追っていました。たまに「量より質」という言葉を聞きますが、皆さん誤解しています。質を高めるためには、一度は「量」を追求しなければならないのです。時間をかけてかけて初めて質を洗練させることができます。

さてそんな「量」と「質」を最大限に高められるのが宅浪という環境になります。まず宅浪という環境は、移動時間もなければ、街の誘惑もなく、友人と会話する時間もなければ、布団の横にすぐに勉強を開始できるデスクがあります。理論上、宅浪以上に「量」を追求できる環境はありません。そして予備校や塾とは違い、途中で変更できない計画や教材や教師やクラスもありません。つまり、その時その時の自分自身の成績やモチベーションや体調に合わせて、最適な計画や問題集を選択していくことができます。故に「質」の追求も可能となります。

落とし、いや墓穴を掘る

そんな宅浪ですが、成功する人が少ないことも確かです。その原因は自由度の高さにあります。理論上最強な宅浪という環境は、有り余る時間と、制約のない環境でもあります。それ故に、根拠のない時間的余裕を感じ、制する存在もないことで「堕落」という道に進んでしまいがちです。遅寝遅起き、永遠と自由時間、大学生の友人とお遊び、バイト三昧…こんな感じになってしまいます。

救世主となる2種の計画

ここで2つの計画が意味を成します。つまり、1年間の各ポイントで取るべき点数とToDoが明らかであり、そこから1日単位でやるべきことが決まっている事実が、自分自身を制する最後の砦となります。勿論、計画を立てることと、欲に打ち勝つことは別のお話ですが、欲に負けてしまいそうになった時、計画が手元にあるのとないのとでは大きく違います。最終ゴールから逆算的に立てた計画を実行しないということは、逆算に歪が生じ、それが意味するところは1つです。不合格です。不合格になってまでも目の前の計画を実行しないか、という判断をしてください。

別に欲に負けない宅浪生にとっても計画は非常に重要となります。むしろ本来計画はこっちの用途で重要です(笑)せっかく手にする膨大な勉強時間を無駄にしないために、その時間を有効的に活用するために計画は存在します。とりあえず今やりたいことをやる、という無計画な受験はきっとうまくいきません。いくなら天才です。天才なら既に受かっています。そしてそんな天才はまだ京大でも出会っていません。一見天才のように見える勉強のできる人は得てして計画を立てることが非常に上手です。ゴールを見据えた計画をうまく立てます。そしてそれをきっちりと実行に移します。計画を立てることは、決められたカリキュラムがない宅浪生だからこそ重要となるのです。

計画の見直し・アップデート

さてここからは、中・長期計画で立てた各マイルストーンの目標点に届いていない場合のアクションについて解説します。大きく取るべきアクションは2つです。

  1. 姿勢の見直し
  2. 計画の見直し

姿勢の見直し

こっちのアクションは、「前提として計画は悪くない」の元で取っていくアクションになります。つまり、勉強に向かう姿勢に問題があるのでそれを見直しましょう、ということです。「姿勢」といっても種類はいくつかあります。

  • そもそもの勉強態度
  • 問題集の使い方・勉強法
そもそもの勉強態度を見直す

「そもそもの勉強態度」に問題があるというのは、集中して勉強に取り組めていない、ながら勉強をしてる等々です。問題集は開いてページはめくっている(=一応、1日のやるべきことは消化してる)が、真剣に覚えようと解こうとしていない。スマホを見ながら勉強をしている。友達や彼女とフードコートや喫茶店でしゃべりながら勉強している。などなどです。わざわざ説明しませんが、このような勉強で高い目標をクリアすることは難しいです。できるなら天才です。天才な…。初歩的な問題なのですぐに改善しましょう。

問題集の使い方・勉強法

次に「問題集の使い方・勉強法」に問題がある例でいうと、例えば、数学でいうと考えることはあまりせずすぐに答えを見てしまったり、英語でいうと長文問題の対策として先に日本語訳を見てしまった状態で読み進めていたり、全般的なことでいうと復習の時間を設けていなかったり等々です。目標点に対するToDoの設定はうまくできているのに(=正しい問題集の選択はできているのに)、それを用いた勉強法、やり方に問題があるということです。これは自分では気づきにくいところでもあるので、本質に立ち返り、その問題集を使っている意味を改めて考えてみましょう。

計画の見直し

姿勢の見直しはしつつも、計画の見直しもしっかりと行いましょう。見直すべき計画は「中・長期計画」になります。具体的には2点です。目標設定とToDoです。

目標設定の見直し

高すぎる目標設定を立ててしまっている場合に見直しが発生します。4月時点で立てる目標は確かに希望的観測の元で立てる目標になりますが、あまりにも現実的でない目標を立てていないかを確認してください。例えば、満点といった目標や、1位で合格できるような目標などです。勿論、4月時点の成績でそれらを狙える学力にあるのであれば立てていただくことに問題はないですが、高すぎず、それでいて低すぎず(←低すぎる目標点を設定するとToDoも最低限になりがちで少し危険)、少し頑張らないといけない程度の目標点にしましょう。妥当な目標点を立てることで、その時期に取るべき点数がより正確になります。妥当な目標点の設定をしていてもなお、それに届いていなければToDoの見直しになります。

ToDoの見直し

繰り返しになりますが、ToDoとは目標点を突破するために、現状とのGapを埋めるのに必要な学習量を定義することです。宅浪生がやりがちなのは、自分が耐えうる勉強量や手持ちの問題集の中でToDoを決めてしまうということです。これは目標点から逆算したToDoではありません。「私はこれくらいの勉強しかできないけど、その結果、目標点を取れればいいよね」ということです。違います。ToDoは目標点を取るために必要なことを定義するのです。

例えば極端な例ですが、4月段階で京都大学の入試英語で2割しか取れないとして、6月には6割の目標点を設定したとします。私なら、1日英語には5時間程度かけて、少なくとも単語帳は3日で1周するくらいやりこみ、長文問題は初見のものを最低でも1日5題は解きます。さらに英作文のルールを記したテキストも1か月で1周し、残りの2か月で7割程度は中身を暗記するようにします。します、というか3か月で点数を4割増しにするためには、これ位必要なんだと逆算してToDoを書き記します。

大事なことは、宅浪生ができる範囲内でToDoを決めるのではなく、立てた目標点から逆算的にすべきことを予想してToDoは決めないといけません。おそらく、目標点に届いていない人は、このToDoの決めがそもそも間違っているように感じます。

最後に

ここまで、宅浪生において計画の重要性を理解していただき、計画の立て方と、必要に応じて計画を見直す方法も学んでいただきました。解説の中には少し宅浪生だけでやることが難しいこともありますが、それを乗り越えた先に、予備校生や塾生では味わうことのできない達成感を得られるでしょう。それを味わった私が断言します。1年間、自分を信じて自分で考えて作り上げた受験という経験は今でも私を支える礎となっています。この記事が一人でも宅浪生の未来を切り開くことを願っております。

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