こんにちは、京大A判のおっぐです。
あんなに暑かった夏とは裏腹にすごく肌寒い時期になりましたね。
私は、先日学会で南半球の国へ行ってきました。向こうの10月は春で、気温は日本よりさらに5度くらい低かったです。ちなみに南半球は桜のシーズンで満開の桜が見頃を迎えてました。
写真は私が現地で撮ったものなのですが、本当日本みたいですよね(笑)
さて、理系学生である私は高校時代ももちろん理系。当時は数学やら物理で点を稼いでいたのですが、一方で英語などは「いかに足を引っ張らないか」を考えて、「耐えること」をひたすら目指す消極的な勉強をしていました。ですので、英語はいつも平均+αくらいの点数で、もちろん英会話なんて不可能でした。しかし、当時の私はこれで良いと思っていました。なぜなら、どうせ英語なんて使わないと考えていたからです。
それから5年くらいが経過して、今は理系学生としてバリバリ研究しています。そして、英語やっとけばよかった!と頭を抱えています。
今回は、みなさんに「とにかく英語を頑張れ」ってメッセージを届けるため、やがて訪れる、英語ができないと詰む場面について記事を書きたいと思います。
はじめは英語ができなくても生きていけた
受験では読解が人並みにできれば耐えられた
高校時代の私は英語のやる気が全然ありませんでした。だって、英語って受験以外で使わないんだもん!高校の勉強なんて全部日本語ですし、英語で話す機会も皆無。
「受験で使う」と言っても、みなさんご存知の通り英語の試験はほぼ読解勝負で、リスニングや英作文こそ出題されますが、正直他の教科を頑張ればいくらでも耐えられる配点です。そんなこんなで、高校時代は読解ばかりを頑張り、ギリギリ耐えていました。
学部の授業では英語ができなくても耐えられた
大学でも英語の授業をいくつか受けます。ここでは、高校よりも実践的な英語力の習得を目指し、英文読解はもちろん、Speakingもそれなりにやります。私も1年生の時に受講したSpeakingの授業で、1分間のスピーチを3回くらい披露しました。
しかし、一般教養の英語ってすごく簡単で、「やるかやらないか」が成績を左右します。つまり英語力がなくてもどうにかなるのです。英文読解で用いたテキストがセンター英語よりも簡単でした。スピーチも、多少下手くそでもやればなんとかなりました。
クソ真面目な私は、とりあえず英語の授業を「やって」、英語力が身についたのかは定かでないまま、単位(一定以上の成績を修めた証)を取得しました。
研究を始めると4つの場面で詰みかけた
のらりくらりと英語をかわしながら生活を続けているうちに、研究活動が始まります。この辺りで英語ができないと詰む場面にぶつかり始めたのです。
詰みポイント① 論文は全部英語
研究と聞いて最初に思い浮かぶのは論文でしょう。論文とは、ある研究の成果をまとめた文書のこと。研究は、誰もやってなかった(できていなかった)ことを成し遂げることが前提。ですので、新しい論文はその道の最先端をゆく書物であり、これを読まないと新しい研究なんてできっこありません。
さて、論文は基本英語です。学術界の共通言語は英語。世界中で先端の技術を競いあい、また共有しあうのが当たり前の現在において、国際的に評価される先端研究は全て英語でまとめられています。
となると、研究する上で英語の論文を読むことは避けて通れません。特に難しい単語や専門用語が次々に登場する学術論文。私も以下に掲げるような文献をGoogle先生片手にヒイヒイ言いながら読み込みました。
研究を始めるとこんな論文をいくつも読むことになります。英語ができないとシンプルに辛い!
詰みポイント② サイトなどもほぼ全部英語
理系の研究をする人なら、パソコン上で動かす専門のソフトや、プログラムを動かすことになるでしょう。そうしたソフトやプログラムの説明書きはほぼ英語です。
これはあくまで一例ですが、Twitterのbotなどを作るために必要なプログラムの使い方をまとめたTwitter公式マニュアルは全て英語です。英語ができないとbot作りも大変です。
英語しかない理由は簡単で、専門性が高すぎるあまり利用者が少ないので、説明をいろんな言語に翻訳するのに必要なコストに対して、製作者側が得られるメリットが少なすぎるのです。特に、研究用プログラムは日々アップデートが重なるので、その度に変更箇所に合わせ説明書きが更新されます。毎回いろんな言語に翻訳するのなんて普通に考えてメンドイでしょw
さらに、そもそも研究をやってるような専門家は英語ができて当然という空気があるので、説明は英語のみというのが半ば当たり前になっています。ただし、あまりにも多くの人に使われている市販ソフトなんかは日本語訳の説明書もありますけどね。
英語ができないとそもそも研究用のプログラムを動かすことすらできないなんて辛すぎます。
詰みポイント③ 発表も英語
研究が進めば、いつか誰かに発表します。研究(特に国や大学の金を使って行う研究)は評価されてなんぼなので、上手くいった研究は学会などのイベントでたくさんの人に聞いてもらいます。
学会には、日本人が集まる「国内学会」と、世界中の人が集まる「国際学会」の2つがあります。より広く評価されるのは国際学会の方。いい研究の成果は国際学会で発表されます。
当然ながら、国際学会の発表は英語です。Speakingの能力がなければ本当に辛いです。先日、私が国際学会で発表してきたときは、発表原稿をあらかじめ英語で用意して、そこで用いられている語彙や表現をひたすら体に染み込ませる脳筋ワザでなんとか乗り切りました。
ちなみに、学会発表のみならず、論文も英語で書かなければなりません。研究するにはWritingの力も要求されるわけです。
詰みポイント④ 質疑応答も英語
実は、学会発表の勝負どころは、発表そのものではなく、そのあとの質疑応答です。発表はぶっちゃけこっちが一方的に話しておけば大丈夫。しかし、質疑応答においては、相手の質問の意図を正しく汲み取ると共に、その場で適切な回答を述べる必要があります。
学会の質問って「バナナはおやつに入りますか」みたいなぬるいものではありません。専門性を尖らせ、その過程で汎用的な課題発見力・論理思考力を研ぎ澄ました研究者たちが、研究の穴をどんどん突こうとしてくるのです。学会での質疑応答は、自身の研究の素晴らしさをアピールする発表者と、その内容を徹底的に吟味しようとする聴衆との熾烈な戦いなのです。
もうお分かりですね。国際学会では、これを英語でやります。英語が得意じゃないとマジで泣きたくなります。
私は先日の国際学会で発表と共に質疑応答を乗り越えました。どうなることかと思いましたが、聴衆も私の英語力を察したのか、簡単かつ簡潔な英語で質問を投げてくれたのでなんとか助かりました。
研究者をガチで志望する人(博士の学位を取ろうとする人)ならば、専門的な議論ができる英語力が必須です。
英語は一朝一夕では身につかない
大学入ってしばらくすると本格的に英語を使う時が来るぞという話を長々としてきてきました。これは高校生のみなさんに英語の勉強、そして英語のアウトプット(英作文など)を早めに頑張ってもらいたいためです。
英語ってちょっと頑張るだけじゃ身につきません。語学は「あることを伝えるためにはこの言葉を使えば良い」「あの言葉を使うとこのことを伝えられる」と言う、言葉とイメージの対応関係を正しくかつスピーディーに繰り出すことが重要です。正しさを実現するには様々な言葉の使用を通じてその違いを把握する必要があり、スピーディーさを実現するには対応関係を反射的に想起できるように自分の体に染み付ける必要があります。要は「慣れ」の要素をたくさんはらんでいるのです。
高校の勉強の中でも、短期記憶でどうにかなる一部の科目(歴史など)は、一夜漬けで乗り越えられることがありました。しかし、英語能力については経験量がものを言う以上、一朝一夕で能力を高めることができません。
大学に入り、ガチで英語が必要になった時から勉強を始めると、ものすごく大変になるのは明らかです。ですので、高校生の早い段階から、少しづつで良いのでコツコツ英語の力を養っていくことをオススメします。
おわりに
今回は、「正直英語できなくても生きていけるっしょw」って考えている高校生(特に理系生徒)に対して、英語ができないと詰む場面をご紹介しました!
グローバル化が進むこれからの世の中、世界相手に戦わないと話にならない場面が増えてくると思います。世界のいろんな情報を取り込み、また発信できるように、英語の勉強を頑張りましょう♪