受験生、そして受験生の保護者の皆様
こんにちは!学習アドバイザーの木村です。
今回の記事では、自分の受験時代の経験と、そして指導者として多くの受験生を見てきた経験を元に、合格する受験生に共通する特徴(行動・習慣・考え方)についてお話ししたいと思います。
目的と意図
前回記事(不合格になる受験生の特徴 ー改めて、自分を見つめ直そうー)では、私の経験則から、春に悔し涙を流す受験生の特徴についてお書きしました。そこで、今回の記事では、逆に『春に夢を叶える』受験生の特徴・共通点についてお書きしたい思います。
この記事で示される合格者像と自分とを比較してみて、普段あまり自分を客観視する事がない人が、この機会に改めて現状の自己分析を行なって頂ければ幸いです。また、ここでお伝えする受験生の姿が、必ずしも正解であるとは断定出来ませんが、少なくとも『そうではない』受験生よりも、成績を伸ばす可能性が高いとは断定出来ます。ぜひ参考にして下さい。
こんな高3生・浪人生は受かる
〝継続〟出来る
何事もすぐには結果に結びつきません。これに異論はないかと思います。特に、受験勉強においては顕著にその性質が見られます。合格する受験生はこの事実を特に理解出来ています。そしてそれが行動となります。つまり、「忍耐が大切である」と心得ているのです。少しやって結果が出ないと、すぐに別の方法や先生に変える。少しやって結果が出ないと、すぐに別の問題集に変える。これでは、いつまで経っても【学習曲線】における【成績の爆発的伸び】のタイミングが訪れないでしょう。成績を伸ばし、春に合格を掴む受験生ほど、成績が伸びない期間を通過点と認識し、焦ることなく着実に1つの方法や問題集を極めていくのです。
誤解を解きますが、大学受験において、模試でのE判定のような、途中経過の成績は、入試の結果になんら影響を与えません。大事な事は【試験当日の学力】のみです。合格を目指すのであれば、ブレないことが大切です。
〝量〟を大切に考える
まずは私の経験談から。かつて通っていた塾に、京大模試で常に1位を取る受験生がいました。しかし、その塾の誰もが、彼が1位を取る事を不思議に思わなかったのです。なぜなら、彼がその塾において圧倒的に誰よりも努力している事を全員が知っていたからです。授業中は勿論、廊下で会っても、トイレで会っても彼は常に参考書を読んでいました。
ここで分かったことは、高い成績を取る人ほど『勉強量』が多いということです。京都大学には日本中の進学校、名門校から『頭の良い』学生が集まります。そんな彼らに興味本位とそれを実証すべく「高校に【天才(=勉強をせずに点数が取れる人)】はいた?」とよく尋ねます。しかしながら、彼らの返事は「いなかった」というものが多いです。学年1位の人は、学年で1番勉強をしていた、と彼らは言います。事実はそうなのです。
つまり、質の良い勉強の仕方を習得するには、膨大な時間と労力が必要になるのです。質と量は切っても切れない関係にあります。質を求めるのであれば、必然的に量をこなさなければならないのです。合格する受験生ほど、その事を理解し、1分でも勉強時間を確保する試行錯誤を行なっています。
〝外部〟のせいにしない
合格する受験生に共通する受験的姿勢は、自己を批判的に見つめる、というものです。これは何かというと、成績が伸びない事や、ブランクにある事、また集中力やモチベーションの低下といった、受験における望ましくない状況において、まずは自身にその原因を追求するという事です。多くの場合、それらの原因が自分自身にあります。成績を伸ばす受験生は、まず自分にその原因を探る姿勢を持っています。原因が自分にある事が多いとするならば、何か起きた時に、すぐにその原因を自分以外の外部に見出そう(先生や環境のせいにしたり、教材のせいにする)する人は、いつまで経っても根本的な原因を見つけられず、つまりは改善する事なく進んでしまうのです。まずは、自分の中に原因を特定する姿勢を持って下さい。そこで自己を分析し、修正を加えた先に、成長が待っています。
〝逆算的〟な考え方
合格する受験生は、行動の隅々までに『ゴールから逆算する』ことを意識しています。結局は、これが1番大切なことなのです。この考えが、計画を立てる上で大切な事は言うまでもありません。
例えば、【休憩を取る】という行動においても、受かる受験生と落ちてしまう受験生には、意識における違いが見えてきます。
- 落ちる受験生が休憩を取る理由
→目の前の勉強がしんどくなったから(目先の問題の対処)。
- 受かる受験生の休憩を取る理由
→しんどい状態で続ける勉強は、同じ1時間の勉強時間を確保するにしても、非効率であり、休憩後の回復した状態の方が時間に対する効果を高められるから(合格というゴールを見据えた対処)。
このように、同じ行動を取るにしても、その理由や目的意識が違えば、異なる結果を生み出します。例えば、上の休憩の例では、前者は目的が【しんどさからの回避】であるので、勉強に対してしんどさを覚えているうちは、いつまで経っても休憩を止められないのです。一方で後者は、勉強に向かうための回復が目的であるので、休憩前より少しでも回復出来れば、たとえ勉強にしんどさを覚えていても、勉強を止める理由にはなり得ず、ペンを再び持つことを可能にするのです。
合格する受験生は、1年365日24時間1分1秒という時間のあらゆる行動を、合格に向けています。それ故に、逆算的な意識の違いが、成績における差を大きく生み出すのも無理はありません。
〝落ちる要因〟をなくす努力
「合格する受験生は、入学試験後に出来なかった箇所の分析を口にしている。落ちる受験生は、入学試験後に解けた箇所の出来を口にしている。」とよく言われます。
私がこれを初めて聞いた時、正直ピンと来ませんでした。しかしその後、実体験を伴って理解する経験しました。私は京都大学に不合格と合格のどちらをも経験する機会を頂けました。面白ことに、落ちた年の入試後、私は父親に【解けた問題】の話をしていました。そして受かった年には【出来なかった問題】の話をしていました。その自分を客観視できた時に、『ハッ』と気づかされました。
よくよく振り返ってみると、落ちた年の受験では、模試の後に【自分が解けた事や、その判定に満足】をしていました。しかし、受かった年には、模試の後は【判定などどうでもよく、出来なかった箇所に対して、何で出来なかったんだ】と頭から煙が出るほど考え続けていました。
つまり、合格する受験生は、自分が落ちる要因を消して行く作業を1年間かけて行っているのです。出来た問題に対して『やったー!』と満足しても、何一つ次に繋がりません。次につながる行動は、【解けなかった箇所の原因分析と、それに対する対策を講じる】事です。常に、自分自身に対して批判的な目を向けて下さい。
まとめ
今回の記事では、合格する受験生の特徴についてお話ししました。しかしながら、冒頭でも述べたように、書かれた事が必ずしも万人に共通する正解ではありません。ただ、一つ言える事は、私の経験と、そして合格を勝ち取って来た受験生の多くは、上の事を実践していることが多い、と言うことです。
今現在、成績に伸び悩んでいる方などは、上の記事を通じて、改めてご自身を批判的に分析して頂けると良いかと思います。それでは、明日からの受験も、合格を見据えた行動をしていきましょう。
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