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一喜一憂するだけの過去問演習に待つのは不合格のみ。

この記事を書いた人
木村

受験生の皆さん、お久しぶりです!学習アドバイザーの木村です。

受験生が大好きな過去問演習って何のためにするのでしょうか
京大の過去問を20周くらいしたのにも関わらず京大に落ちてしまった僕が、過去問演習の本当の意味を解説したいと思います。

過去問演習で重要な4つのコト

過去問演習は一言で言うと「確認作業」です。では、何を確認しないといけないのでしょうか?
確認すべきことは4つあります。

目次(クリックで該当箇所へ移動)

1つ目「自分の実力」を確認する

まずは、自分の実力の確認です。もっと言うと、「自分の弱点」の確認です。
時々、過去問演習で何点取れるのかで一喜一憂している受験生がいます。
しかしながら、この「何点取れたかの確認」はそれ自体、ほとんど意味を成しません。0点でも満点でも、そこでアクションを起こさない限りその瞬間の自分からは何も成長しないからです。
大事なことは「自分の今の学力であればどこで失点するのか」を確認することです。失点した箇所を横展開していき、自分の苦手及び勉強不足の分野・単元はどこの「分野」「出題形式」が苦手であるのか、その確認作業を行ってください。
そして、その確認で得た弱点を補強していくプロセスこそ、過去問演習を行った事実に意義が与えられるのです。
【解いて→丸つけして→喜んで(or悲しんで)→終わり】では、過去問演習の時間が無駄に終わるでしょう。過去問を20周して「勉強した気」になって不合格になった僕が言うのだから間違いないです。

2つ目「問題形式」

よく言われる「過去問研究」とはまさにこの事です。字のごとく「研究する」のです。では具体的に何を研究すれば良いのでしょうか。

確認すること!
  1. 大問構成(全体像を掴む)=大問ごとの「難易度」「自分との相性」を確認
  2. 小問構成(細かな内容を掴む)=小問ごとの「難易度」「自分との相性」を確認
  3. 試験時間
  4. 分野ごとの出題傾向・出題頻度

この問題形式の確認作業が、次の「戦法の確認」にとって非常に大切になります。つまり、敵を正しく把握するということです。この敵の見極めを誤ってしまうと、本番当日までの作戦を立て間違い、誤った対策をしてきたことで、本番で点をとることが出来ないことに陥ります。従って、この確認は慎重に、そして丁寧に行ってください。

3つ目「戦法」

考えるべき戦法は2つあります。

  • ミクロな戦法

2つ目の確認で得た情報を元に「受験当日の闘い方」を考えます。「どの大問から解き始める」「どの大問・小問にどれくらいの時間をかける」といった基本的な戦法を決めます。
そして、さらに細かく、「ここの大問・小問で時間がかかった場合、その後はどのように動く」といった、第2以降の戦法も考えるようにしましょう。

人間が失敗するのはいつか。それは想定外の事態が起こる時です。受験生の多くは、頭の片隅で「全問悩むことなく解ける」と思っています。その証拠に「分からない問題が出た時に冷や汗をかき始め、焦ってしまい、予想以上に時間をかけてしまう」のです。

そうならないように、細かく戦法を立てておきましょう。大問や小問ごとに、仮につまづいた場合はどのように動くか、という別プランを考えておきます。そうすると、たとえ難しい問題が出ても「想定内の事態」として対処できるはずです。

そして過去問演習の際には、実際に問題を解く中で、あらゆる事態に対して、自分が立てた別プランが本当にうまく機能するのかという確認作業を行って下さい。
これを行うためには、過去問演習は常に試験通りの環境で行う必要があります。でなければ、正確な検証が行うことができないからです。規定の時間で、規定の用紙に、規定の用具で過去問演習に臨んで下さい。

  • マクロな戦法

次はもっと長い時間軸での戦法を考えていきます。受験には2つの軸があります。1つ目が「受験当日」。2つ目が「受験当日まで」です。ここでは、後者の受験当日までの戦法を考えていきます。過去問への研究を進めると、自分の不得意な点が浮き彫りになってくるはずです。受験では、特に高いレベルでの受験競争では、「いかに得点を獲得できるのか」ではなく、「いかに失点を防げるか」で勝負が決します。つまり、自分の弱点を補強していくことの積み重ねなのです。不合格になる要素を一切排除する。これをもとに受験当日までの戦法を考えていきましょう。どの教科のどの単元が苦手で、それに対する対策時間をどれだけ確保し、何を行うか。緻密な戦法を立てることが重要です。

4つ目「全ての問題に共通する真理」

よく「過去問演習って、同じ問題が出ないのにする意味あるんですか?」といった質問を受けます。
しかしながら、この質問者は誤解をしています。過去問演習では、去年出た問題を解けるようにするのではなく、演習で出た問題の類似問題を予想して、それを解けるようにするのです。
つまり、演習の中では、一つの問題を参考にして、それに関わる全ての問題に通じる解き方や、知識の確認を行ってください。限定的な知識の補充やテクニックの養成ではなく、全ての問題に通じる真理を得るようにして下さい。

まとめ

以上が過去問演習をする際に、特に重点的に確認してほしい4つの事となります。
【時間を計って、問題を解く】こと「だけ」で、頭が良くなるなんて絶対に有り得ません。
同じ過去問を演習している2人の受験生がいたとしても、それを取り組む際に意識していること、実践していることで差がつけば、時間対効果においても差がつき、それは入試本番での成績に響き、結果として、来春に見せるご自身の表情も違ってくるでしょう。

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